私は新卒で車業界では結構なの知れた会社に入社した。
車そのものを作っているわけではなく、車メーカーから注文を受けて、車に搭載するカーナビやオーディオ、バック時に周囲を見渡すことができるカメラシステムなどを作っていた。
順風満帆に見えた会社の経営が、ちょっとやばいのではないかと気づき、転職活動を始めた。
自分探しに迷走
新卒で入社してから約10年が経ち、まぁそれなりのスキルは身についたと
自負していたので、今の会社と同等の規模ならば入社できるはずと考えた。
そんな状態でネックとなったのは、どんな業界の会社に転職するかであった。
同じ業界の会社へ入社すれば、これまでの経験も活かせるはずであるから、
一番しっくりすると考えていた。
しかし、せっかく転職するのだから全く違う業界へ挑戦してみたいとの思いもあった。
履歴書、職務経歴書を書いて自分のこれまでのキャリアを棚卸しするとともに、
趣味やこれまで興味持ったことを振り返って、どんな業界を目指すかも考えた。
作り終えることができたが、どんな業界を目指すかが全く定まらなかった。
とにかく申し込み
いくら時間をかけても狙う業界が決まらないため、考え方を変えてみることにした。
あらかじめ業界を決めてそこを狙うのではなく、色々な業界の会社を受けて、これだと思った会社にしようとした。
経ってからであった。
申し込めばかなり高い確率で書類審査は通り、面接まで進むことができた。
問題は面接の志望動機であった。
知名度のある会社はとりあえず申し込んでいるような状態であったため、その会社に
どうしても入りたいという強い志望動機を作り込むことができずにいた。
そんな薄っぺらい志望動機を掲げているのだから、面接官はどうしてもそこに対して
集中的に質問をしてくる。
どうしてうちの会社を志望したの?
⇨安定した経営基盤の御社で、これまでとは違う業界に挑戦したくなったためです。
うちの会社に入ったら、どんなことをしたい?
⇨先ずは御社の業務手順に慣れ、その後これまでの経験を活かした製品づくりをしていきたいです。
うちの会社に入ったら、これまでの経験をどう活かしていくのか?
⇨全く違う業界なので、何を活かしていくのかを考えながら日々を過ごしていきます。
以上のように、質問に対して的確に応えることができず、
二度目の面接へ進むことは一度としてなかった。
一度立ち止まってみた
一次面接で不合格になったのが片手を超えた頃に、このまま申し込み続けてても、
更に不合格通知の山を築くだけであると気づき、申し込むのをやめた。
やはり、自分探し、自分が興味ある分野を探し出せていないことが、面接官を
納得させる志望動機を作り込めていないこと理由であると考えた。
そのため、もう一度立ち止まって、自分探しを始めることにした。
今度は自分が興味ある分野に限定せず、自分の周囲の人、例えば親や兄弟、長年
付き合いのある友達などに目を向けて、広い視点でみることにした。
そうすると、自分が興味を持っていなかった分野に、自分の周囲の人が携わって
いることに気づくことができた。
親が祖母の介護を頑張っている姿をなんとなく
見ていたが、技術者としてその負担を減らすことができないかと考える時間が
多くなった。
信じられないくらいに順調に進む
以前と比べて、履歴書に書く志望動機に悩むことはなかった。
かける時間は大幅に減ったし、書く内容にも困ることはなかった。
それくらい順調に志望動機が書けていたので、面接で志望動機について突っ込まれることはなくなり、その先の技術面での話をすることができた。
これまでの会社で聞かれた質問に対しても、的確に応えることができた。
どうしてうちの会社を志望したの?
⇨高齢化が進む中、自分の周囲でも介護に大変な人を見て、医療業界を私も盛り上げていきたいと考えました。
業界の中で御社を志望したのは、親が祖母の介護をしていた時に御社の製品がとても役に立つと言っており、そのモノづくりに携わりたいと考えたためです。
うちの会社に入ったら、どんなことをしたい?
⇨既存製品の改良もいいですが、医療の現場から広く意見を集めて、今後数年後の医療業界に求められるような新規製品を開発に携わってみたいです。
うちの会社に入ったら、これまでの経験をどう活かしていくのか?
⇨全く違う業界ですが、車も医療製品も人の命を預かる面では一緒なので、安全性を高める配慮を違う観点から追求したいです。
マネジメント経験はあるか?
⇨10人ほどのチームで、マネジメント経験があります。
マネジメントする上で、注意していることはあるか?
⇨自分の作業が少し停滞しても、皆の作業が円滑に進むように配慮することです。
他にも、ウチではこんな技術でこんな製品を作っているけれど、その中で自分が持っている
技術をどう活かしていけると考えているのか?とか、技術的に全く違う分野に進む
ことで新しい技術や知識をどうやって身につけていこうと考えているのか?など、
これぞ中途採用の面接って感じの技術的な質問がうれしかった。
二次面接へ進むことができた企業もあれば、それ以前と同様に一次面接で落ちること
もあったが、企業から伝えられる落選理由は志望動機についてではなく、技術的な事
であったので、前へ進んでいる感じがあった。
決まるときはあっさりと
再開して5社目の面接では、志望動機はもとより、違う業界に進む新たなチャレンジが
楽しみであること、新たな業務知識をどう身につけていくかをしっかりと練って臨んだ。
やはり違う業界から来た自分に対して、そこらへんを根掘り葉堀り聞くのがお決まりで
あるようで、しっかりと練った答えを返すことができた。
理由をまた聞かれた。
一次面接で聞かれたとき以上に熱い思いを伝えてから数日後、無事内定の連絡が届いた。
給料や待遇など
提示された給料はそれまでは基本給が年齢くらいの感じであったが、そこから3万円くらい低くなった。
充実しており、3万円の差は埋まる感じであった。
職場の雰囲気
入社してみて驚いたのは、職場の雰囲気が明るいことであった。
前職は車メーカーからの要求が厳しく、いつも焦りながら仕事をしていた。
転職してよかったと感じることができた。





