自動車メーカーから下請け会社に転職した話

転職といえば普通はキャリアアップを目指すことが多いと思うけれど、自分は逆で会社規模で言えば下がった。
初めはキャリアアップを目指していたが、大してスキルが身についていない自分を受けれていくれる会社が
そこしかなかったため、キャリアダウンも、下請け会社であることも納得の上で転職した話をする。

入社から配属決定まで

新卒で結構世界的にも名の知れた自動車メーカーに入社することができた。

テレビを見ていれば毎日のようにCMは流れるし、周囲でもそのメーカーの車に乗っている人はとても多い。

その点については、それまで勉強や就職活動をがんばってきたことを誇りに思っていた。

同級生の中でも結構成績は上位だったし、その会社に入社することが
できたのは自分だけだったので、内定もらってから卒業するまでは、
大学内で鼻が高かった。

しかし、入社してからは、同期のレベルの高さに驚いた。

決して卒業した大学のレベルに差があるわけではないが、自分以外の
同期は大学を卒業したばかりなのに、既に部署に配属されても一人前に
仕事ができそうなスキルを身につけていた。

そこまでのスキルがなかった自分に焦りを感じることもあったが、研修
期間は長いので、その間に差を詰めることができればいいと考えていた。

考えが甘かったのを知るのはそう遠くなく、同期との差は広がる一方であった。

そして、配属先が決まる日を迎えるわけであるが、もちろん、第一希望であったエンジンの開発を担当する部署にはいけず。

車の花形とも言えるエンジンの開発部署は、とても倍率が高かったようである。

第三希望まで車の先進機能の開発を担当する部署などを上げていたが、第三希望にも書いていなかった部署への配属となり、
しばらく呆然としたのを今でも昨日のことのように覚えている。

配属先での仕事

全く希望していなかった部署での仕事が始まったわけであるが、これがどうやってもおもしろくなかった。

何がおもしろくないって、これまでメカ系の勉強をしていたのに、配属されたのが
情報システム部というのだから、全く関係ない部署に配属されたのである。

社内システムの管理、サーバや社員が使用しているPC、ソフトウェアのライセンスの管理など、事務仕事のような毎日が続いた。

仕事内容自体は自分が全く持っていないスキルが必要とされていたので、それを
身につけなくてはいけないと思いつつも、こんなスキルを身につけるために
自分は学生時代に勉強したのではないと葛藤した。

学生時代の同級生達とどんな部署に配属されて、今どんな仕事をしているのかと
いう近況報告をするのは辛かったし、会社の同期との飲み会では自分が希望して
いた部署に配属された同期の話を聞くのは辛かった。

それでも、今の会社のネームバリューは大きく、その会社に所属していることで、
よほどのことがない限りは安定した生活を送れるはずであることには安心していた。

その安心感と仕事の張り合いのなさをどうしようかと考えていると、自然と毎日の仕事に対してやる気を失っていった。

新卒一年目にして、会社にしがみつくことしか考えられず、これからどうがんばって
いこうかという展望を全く描けていない自分に絶望した。

第二新卒として転職活動を開始

配属されてから1年が経つ頃に、転職サイトに登録して転職活動を開始した。

いくら大企業に所属しているといっても、何のスキルも身についていない自分に
オファーが来るのは名も知れない規模の会社や、全く業種が違う会社の営業など
ばかりであった。

とりあえず場数を踏もうと考えて履歴書と職務経歴書を送って申し込むが、面接にすら到達せず、書類選考で落ちる。

運良く書類選考が通って面接へ進んでも、やはり退職理由を根掘り葉掘り聞かれる。
というか、それしか聞かれない。

どうして今の会社を辞めようと思ったのか、辞めるまでに異動を願い出なかったのか、
今の部署で素晴らしい成果を出してそれを手土産に異動をすればいいのでは?などを
似たり寄ったりの質問ばかりであった。

そのようなことを聞かれるのは想定しており、今の部署にいて時間を無駄にしたくない
など、用意していた答えを返したが、火に油をそそぐような状態であった。

無駄にしているのは新たなスキルを全く身につけていない自分自身である、会社は
一人一人のキャリアパスをある程度考えているから、その部署位配属されたことも
長い目で見れば無駄にはならないのでは?と面接というよりも、説教みたいな感じであった。

そんなのわざわざ今日初めて会ったあなたに言われなくても、自分でも分かっていると
言い返したかったが、言い返せるわけでもなく、ただ黙って言われるがままであった。

ようやく終わりを告げる転職活動

面接回数が両手に収まらなくなってきた頃に、見つけた会社の求人内容は、自分がもともとやりたい内容であった。この会社に入ることができたら、少し回り道をした自分のキャリアを、思い描いていた軌道に乗せることができると考えた。
それまでの面接で聞かれた転職の動機に対する質問を振り返り、自分としてはスキの
ない返事を作り、面接に臨んだ。

予想していた通り、ここでも転職理由を何度も何度も聞かれたが、その会社は今の
会社と取引があり、会社の事情に精通していたことが功を奏した。

結果として初めての内定をもらい、迷うことなく転職を決意した。

転職を決意したのは、もともと車の部品を作っていた会社であったが、
最近注目されている小型の電気自動車を自社で作り始めていたためである。

その小型の電気自動車を作る開発部門へ配属され、自分がやりたかった
メカ的な部分の開発ができることは、何よりも嬉しかった。

給料や待遇など

転職した先もその業界ではかなり知名度のある会社であり、給料はかなり高かった。
第二新卒で何のスキルも持たない自分に、新卒で入社した人と同じような給与である
基本給23万ちょっとを与えてくれた。

それ以外にも、家を借り上げ社宅としてくれ、水道とガス代は会社が支払ってくれる
とのことで、前の会社と同等の福利厚生であったことは、嬉しかった。

職場の雰囲気

新しい会社の職場は、これから伸びていく分野へ先行して開発していく部門であり、
新しい血を入れようとしているみたいで、中途入社の人員が多い。
色々なキャリアの人がいる中で、自分も負けないように、次こそドロップアウト
しないようにがんばっていきたい。

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