放射線技師としての日々
放射線技師と聞くとなんとなく名前はかっこいいようにも感じるが、実はそれほど知られていない職業である。
実際の仕事は、病院で医師の指示により、患者さんに対して放射線を
使用した検査や治療を行うことである。
もっとわかりやすく言うと、CTやMRIの機械を操作して患者さんの身体を撮影するのが主である。
なかにはがん患者に対して放射線治療を行う場合もあるようだが、自分は一度も行ったことがない。
治療ではなく、検査をするのが、自分の仕事の大部分である。
転職の動機
動機は、正に上に書いた自分の仕事内容である。
放射線技師以外にも治療をしておらず、主な仕事が検査である人はいるが、自分は検査をしていないことに少なからず劣等感を感じていた。
そして、検査した結果、悪い部分が見つかったとしても、それ以上自分がどうすることもできないことも、辛かった。
いくつも年下で学校を卒業したばかりの看護師でさえ、自分よりも患者さんに
接しているように感じ、自分の仕事ってなんだろうなと感じることさえあった。
おそらく、これがきっかけで転職活動を始めたのだと振り返ると思う。
新たな道の模索
転職するならば全く違う業界に未経験で挑戦するか、同じ放射線技師として働くしかないと思っていた。
後者だけは嫌だと考え、どんな業界に挑戦しようかと転職サイトを見ていた
時に、ある会社の求人を見つけた。
より現場が使いやすい機器、患者の負担が減る機器の製造のため、現場で働いていた放射線技師のサポートを受けて開発しているとのこと。
思わず、これだと叫んでしまった。
応募して面接へ
同じような医療機器メーカーの求人を探すと、結構な放射線技師を募集している求人はあった。
片っ端から応募していくと、意外に返事も早くて好印象を持たれているのかもと期待してしまう。
けれど病院で働いているとお目にかかれない、きつそうな面接官にあたった。
どうやらその人が、実際に医療機器を開発している部署の課長らしい。
まずは、ジャブ的な感じで、転職サイトに掲載されていたお決まりの質問から
始まった。
・自己紹介
⇨目だったスキルはないので、何年間放射線技師として働いているか、放射線技師
以外に保有している資格について話した。
・現職を退職しようと思った理由
⇨流れ作業のように患者さんの検査をしているだけの日々で、もっと主体的に仕事を
したいためと答えた。
・当社を志望した理由
⇨いくつかの機器を使用したけれど、その中で抜群に御社製品が使いやすかった。
そんな機器の開発に自分も携わりたいと考えたためと答えた。
まずまずな答えだったのか、自分の答えに対して頷きながら聞いてくれた。
これは手応えがありそうだなと感じた。
次に人柄を見るためだろうか、以下のような質問が来た。
・仕事をする上で大切にしていることはなんですか?
⇨これは結構簡単で、今までも検査対象となる患者さんを不安にさせないように気を
配って仕事をしてきたので、相手を思いやって接することと話した。もちろん、
これまでの経験の中で、検査をすることに恐怖を感じる患者さんは少なからずおり、
その人から不安を取り除くために、どんな事をしたかも説明した。
・当社に入ったらどんなことがしたいですか?
⇨いつかは医療機器の開発に携わってみたいですが、まずは御社の製品のことを
よく知り、医療機関への導入説明や研修などをしてみたいと伝えた。
病院で働いていた時に他のメーカーの社員が導入説明していたから、それを
思い出して言っただけである。
しかし、この会社にもそのような役割はあるようで、よくうちの事を研究してから
面接に臨んだんだねと褒められてしまった。
他にもいくつか質問されたが、この質問への返しがよくできたためか、以降はかなり
自信を持って答えることができた。
最初の応募で無事内定
最初に応募した企業から内定が来る前に、他の企業へも申し込もうと求人情報を
見ていたが、申し込む前に次の面接の連絡、そしてそれも終わると内定通知が届いた。
給料や待遇など
病院で働いている限り、放射線技師は一生放射線技師で、やる事に変わりがないので、
それほど給料が伸びることはない。
自分も新卒の頃の20万という給料から、数年たってもほとんど変わっていない。
しかし、一般企業だと成果を出せばそれに伴って立場も責任も増えるため、給料の伸びは
自分次第という感じで、それを感じるように基本給が5万円も上がった。
職場の雰囲気
病院というやや暗い雰囲気の職場と異なり、新しい職場の雰囲気はとても活気がある。
みんな前向きに、新しい医療機器の開発に真剣に取り組んでいるのが伝わり、自分も
負けていられないと刺激を得た。




